BSVの今後はどうなる?1.4億円の損失から這い上がった私が本気で語る「光と影」

「BSVの今後って、結局どうなるんだろう?」

仮想通貨という荒波の中、先の見えない航海に不安を感じているあなたの気持ち、痛いほどよくわかります。かくいう私も、2017年の熱狂的なバブルで仮想通貨の世界に飛び込み、一度は天国を見ながら、その後の大暴落で地獄の底を味わいました。

一時は1.5億円にまで膨らんだ含み益が、わずか数ヶ月で1000万円にまで溶けていく恐怖。あの時の絶望感と、モニターの前で呆然と立ち尽くした自分の姿は、今でも鮮明に思い出せます。1.4億円もの資産を失ったあの失敗が、私の投資家人生の原点です。

だからこそ、あなたには同じ轍を踏んでほしくない。この記事では、単なるBSV(ビットコインSV)の解説に終始するつもりはありません。私が血の滲むような勉強と実践の末にたどり着いた、BSVという極めて特異なコインとどう向き合うべきか、その哲学と具体的な戦略を、私の失敗談も交えながら、余すところなくお伝えします。

この記事を読み終える頃、あなたは「BSV 今後 どうなる」という問いに対し、他人の意見に流されることなく、自分自身の羅針盤で進むべき道を見定められるようになっているはずです。

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なぜ私は、いまだにBSVから目が離せないのか?

多くのベテラン投資家がBSVに見切りをつける中、なぜ私が今もなおBSVの動向を追い続けているのか。それは、BSVがビットコインの「原点」を問い続けている、数少ないプロジェクトだからです。

ご存知の通り、ビットコイン(BTC)は今や「デジタルゴールド」と呼ばれ、価値の保存手段としての地位を確立しつつあります。しかし、サトシ・ナカモトが2008年に発表した論文のタイトルが何だったか、思い出してください。「Bitcoin: A Peer-to-Peer Electronic Cash System」——そう、それは個人間(P2P)で直接やり取りできる電子キャッシュシステムだったはずです。

銀行を介さず、誰もが限りなく低い手数料で、瞬時に価値を交換できる世界。それが本来のビジョンでした。しかし現在のBTCは、手数料が高騰し、送金詰まりも頻発。日常の決済に使うには、あまりにも不便なものになってしまいました。この現状に、私は常に疑問を抱いています。

BSVは、このビットコインが失ってしまった「本来のビジョン(Satoshi Vision = SV)」を取り戻すと主張し、その理想に殉じようとしている、ある意味で非常に純粋で、そして過激なプロジェクトなのです。その挑戦が成功するにせよ、失敗するにせよ、その軌跡を追い続けること自体に、ブロックチェーンの未来を考える上で計り知れない価値があると私は信じています。

BSVとは何か? 3分でわかる「光と影」の歴史

では、BSVとは具体的に何なのか。その誕生から現在までを、光と影の両面から見ていきましょう。

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光:BSVが目指す「無限にスケールする」未来

BSVは2018年、ビットコインキャッシュ(BCH)から分裂(ハードフォーク)して誕生しました。その最大の目的は、ブロックサイズの上限を事実上撤廃し、桁違いのトランザクション(取引)処理能力を実現することです。

これは、単に送金が速くなるという話ではありません。ブロックチェーンを、世界中のあらゆるデータを記録できる「巨大な公開台帳」として使おうという壮大な構想です。例えば、こんな未来が考えられます。

  • 1円以下の超少額決済(マイクロペイメント)で、記事を1行読むごと、音楽を1秒聴くごとに課金する。
  • SNSの投稿や「いいね」を全てブロックチェーンに記録し、中央集権的なプラットフォーマーから個人のデータを取り戻す。
  • 企業のサプライチェーン情報を全て記録し、産地偽装などを不可能にする。

BSVは、これを実現するためにブロックサイズをギガバイト、テラバイトへと拡大していく「テラノード計画」を推進しています。この技術的な野心こそが、BSVの「光」の部分です。

影:創始者を巡る論争と市場からの孤立

しかし、BSVには常に暗い影がつきまといます。その中心にいるのが、自身をサトシ・ナカモトだと主張するクレイグ・ライト氏の存在です。

彼の主張は暗号資産業界に大きな論争を巻き起こし、その言動を問題視した多くの主要な取引所(バイナンスやクラーケンなど)が、2019年にBSVを上場廃止するという異例の事態に発展しました。これはBSVにとって致命的な打撃となり、価格は暴落し、多くの投資家が市場から去っていきました。

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さらに決定打となったのが、2024年3月の英国高等法院の判決です。暗号資産業界の団体であるCOPAとの裁判で、裁判官は「ライト博士はサトシ・ナカモトではない」と明確に断じました。この判決は、BSVの「サトシのビジョンを継ぐ」という物語の根幹を揺るがすものであり、BSVの今後を考える上で絶対に無視できない事実です。

※この情報は2024年6月時点のものです。訴訟に関する最新の動向は、信頼できるニュースソースでご確認ください。

BSVの今後を占う3つの羅針盤

では、この光と影を抱えたBSVの未来を、私たちはどう読み解けばいいのでしょうか?私は常に、以下の3つの「羅針盤」を頼りに、市場という大海原を航海しています。

羅針盤①:技術の進化は「本物」か?

BSVの価値の根源は、その圧倒的なトランザクション処理能力にあります。実際に、BSVのネットワークは日々、他のどのチェーンよりも多くのトランザクションを処理していることがあります。

しかし、ここで冷静な目が必要です。オンチェーンデータを分析すると、そのトランザクションの多くは、特定のアプリ(天気情報を記録するサービスなど)によって生成されたものであり、「多様な経済活動の結果」とは言えない側面があるのです。

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重要なのは、その技術が、開発者や企業にとって本当に魅力的なのかを見極めることです。今後、BSV上で革新的なアプリケーションが次々と生まれるのか、それとも単なるデータ記録サービスに留まるのか。その動向を注視する必要があります。

羅針盤②:エコシステムは「育って」いるか?

どんなに優れた技術も、使う人がいなければ宝の持ち腐れです。BSVを取り巻く「経済圏(エコシステム)」が拡大しているかは、将来性を測る上で極めて重要です。具体的には、以下の点を見ています。

  • BSV上で開発を行う開発者コミュニティの活気
  • BSVに対応するウォレットやツールの充実度
  • BSVを決済手段として導入する企業やサービスの数

正直に言って、現状のBSVのエコシステムは、イーサリアムやソラナなどと比較すると、まだまだ小規模と言わざるを得ません。サトシではないと判断されたライト氏の影響力が低下する中、コミュニティが自律的にエコシステムを拡大させていけるかが、今後の大きな課題です。

羅針盤③:市場心理は「どちら」を向いているか?

「価格チャートは、市場参加者の欲望と恐怖の総体である」というのが私の信条です。

BSVのチャートは、まさにその言葉を体現しています。ライト氏の発言一つで乱高下し、上場廃止で絶望的な下落を見せる。その値動きの裏には、熱狂的な信者と、冷徹な投機家、そしてプロジェクトの将来を憂う人々の、様々な思惑が渦巻いています。

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現在、BSVの価格は長期的な低迷を続けています。これは市場が「サトシの物語」の終わりと、エコシステムの成長の遅れを織り込んでいる結果と見るのが自然でしょう。ここから再び市場の信頼を勝ち取り、投資家の「欲望」に火をつけるだけの新たな物語を紡ぎ出せるのか。それができなければ、価格の本格的な浮上は難しいかもしれません。

それでもBSVと向き合うなら。私が守り続ける「3つの鉄則」

ここまで読んで、BSVがいかにハイリスクな投資対象か、お分かりいただけたと思います。それでも「この技術の可能性に賭けてみたい」と考えるあなたに、私が1.4億円の授業料を払って学んだ「3つの鉄則」を授けます。

鉄則1:ポートフォリオの「スパイス」と心得る

BSVに資産の大部分を投じるのは、狂気の沙汰です。これは、あなたの資産形成という料理における「メインディッシュ」にはなり得ません。あくまで、ほんの少し加えることで、とてつもないリターンを生むかもしれない「スパイス」のような存在と位置づけるべきです。

資産全体のごく一部、最悪の場合ゼロになっても笑って許せる金額にとどめること。これが大原則です。私のように、一つの銘柄に熱狂して買い増しを続ける愚を犯してはいけません。

鉄則2:自分の資産は「金庫」で守る

BSVは上場している取引所が限られています。そして、取引所に資産を預けっぱなしにすることは、銀行に現金を預けるのとは全く意味が違います。それは「他人に自分の金庫の鍵を預けている」のと同じ状態です。

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ハッキングや取引所の破綻リスクから資産を守るため、必ず自分自身で秘密鍵を管理するハードウェアウォレット(LedgerやTrezorなど)に移してください。これはBSVに限りません。仮想通貨投資を続けるなら、絶対に守るべき命綱です。

鉄則3:情報の「上流」を取りに行く

日本語で手に入るBSVの情報は、非常に偏っているか、あるいは古くなっている可能性があります。特に、熱狂的な支持者の発信する情報だけを鵜呑みにするのは極めて危険です。

公式ブログや開発者のSNSはもちろん、海外の信頼できる暗号資産メディア(CoinDesk, Cointelegraphなど)や、時には批判的な立場の意見にも目を通すこと。複数の視点から情報を集め、自分自身で事実を判断するスキルを磨かなければ、この世界では生き残れません。

【結論】BSVの未来は、あなたがどう向き合うかで決まる

結局、「BSV 今後 どうなる」のか? その答えは、誰にもわかりません。サトシ・ナカモトのビジョンを追求する壮大な社会実験が、技術的な壁やコミュニティの問題を乗り越え、花開く可能性はゼロではないでしょう。しかし同時に、多くの論争と課題を抱え、このまま静かに市場から忘れ去られていく可能性も十分にあります。

重要なのは、あなたがBSVというコインに「何を求めるか」です。短期的な利益を狙う投機の対象として見るのか。それとも、ビットコインが失った理想を追い求める、壮大な物語の目撃者として関わるのか。

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もしあなたが後者であるならば、その道のりは決して平坦ではないでしょう。しかし、その探求の過程で得る知識や洞察は、あなたの投資家として、そして技術の未来を見通す人間としての視野を、間違いなく広げてくれるはずです。

明日からできる、最初の一歩

さあ、行動を起こしましょう。評論家で終わってはいけません。この記事で得た知識を、あなた自身の血肉に変えるための最初の一歩です。

まずは、BSVのブロックチェーンエクスプローラー(例えば「WhatsOnChain」など)を覗いてみてください。リアルタイムで刻まれていくトランザクションを眺めているだけでも、そのネットワークの「鼓動」を感じられるはずです。それがどんなデータなのか、少し調べてみるだけでも、大きな学びがあります。

この小さな一歩が、あなたを情報に踊らされる側から、情報を使いこなす側へと変える、大きな転換点になるかもしれません。あなたの賢明な航海を、心から応援しています。

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